VHSとS-VHSの画質をざっくりと比較

VHSテープをデータ化して残したいと思ったとき、テープの再生には「VHSデッキ」を使いますよね。
でもVHSデッキには上位互換で高画質のS-VHSというものがあります。
じゃあ、S-VHSで再生したら画質良いんじゃね?」と思ったそこのあなた(自分も)ほんとにそうなのか知りたいですよね!(威圧)
というわけで、VHSとS-VHSの画質をざっくりと比較してみました。

VHSとS-VHSデッキの互換性について

まずVHSとS-VHSの説明をしたいと思いますが、ここを覗きに来るような人は「何を今更」なレベルの事と思いますのでこの章は読み飛ばしてもらってOKです。

VHSとは

VHSデッキ

     VHSテープ

・日本ビクター(現:JVCケンウッド)が1976年に開発した家庭用ビデオ規格
・記録媒体はカセットタイプのテープで容量によって記録時間が異なる
・VHSの水平解像度は240TV本(当時のブラウン管テレビの水平解像度は約200TV本)

単位:TV本について

Wikipedia VHS より

S-VHSとは

S-VHSデッキ

・1987年に日本ビクター(現・JVCケンウッド)が発表
・家庭用ビデオ方式のVHSをより高画質にするために開発された規格
・S-VHSの水平解像度400TV本以上(テレビ放送の水平解像度が330TV本~350TV本)
 (1980年代頃よりブラウン管テレビの水平解像度は500TV本を超えていた)
デジタルTBCデジタル3次元Y/C分離処理ICや高画質で映像を伝送できるS端子などを搭載

高画質録画用 S-VHSテープ

◎S-VHS規格の記録には高品質な専用のS-VHSテープを使用
◎カセットハーフはVHSテープと同型だがS-VHSテープの裏には判別用の識別孔がある

Wikipedia S-VHS水平解像度 より

デッキとテープの組み合わせ

VHSテープS-VHSテープ
VHSデッキVHS画質で録再VHS画質で録再
S-VHSデッキVHS画質で録再S-VHS画質で録再

表で分かるように、S同士の組み合わせの時だけ水平解像度400TV本の高画質が堪能出来て、それ以外はVHS画質(水平解像度240TV本)ということになります。
(VHSデッキの一部にSQPB機能がついてたり、S-VHSデッキにTE録画機能があったりしますが、ややこしくなるので割愛)

実際に録画、再生してみた

機材の構成について

上の説明でも分かるようにS-VHSデッキには画質を向上させる機能がてんこ盛りなのです。であるならば、昔のVHSテープを再生させるならVHSデッキよりS-VHSデッキの方が良いはず!
 お題は「VHSテープをS-VHSで再生したら画質良いんじゃね?」でしたので、それに準じた手順で進めました。

VHSテープの作成

送り側:元映像はBDレコーダー(ソニーBDZ-AT700)から出力
受け側:VHS(ビクターHR-B13)コンポジット入力(黄色端子)でVHSテープに録画

再生デッキ

1.VHSデッキ:ビクターHR-B13
2.S-VHSデッキ:パナソニックNV-SV150B(TBC、DNR、Y/C分離、S端子出力あり)
2台で再生比較

取り込み機器

アイ・オー・データ GV-USB2

再生画質の比較

上 VHS(コンポジット出力)で再生
下 S-VHS(S端子出力)で再生

うーん、解像度に違いはないのかな?
右ビルの白い縦ラインや窓枠部分は、上は歪んでますが、下はデジタルTBC回路のおかげで真っ直ぐになっています。

上 VHSで再生
下 S-VHSで再生

このデッキの個体差なのか、S端子出力の映像がやや暗いです(普通はそこまで明るさは変わらないはず)
コ○ン君のシルエットの周りが黒くぼけて見える
それ以外は大きな違い無し

左 VHSで再生
右 S-VHSで再生

3倍に拡大しました
解像感はほぼ同じ
VHSテープの再生画質はデッキをS-VHSにしても向上しませんが、デジタルTBCなどによる補正機能(横揺れなど)は有効のようです


気になってS-VHSのコンポジット出力も試しました
左 VHSで再生
右 S-VHS(コンポジット出力)で再生

さっきより明るくなった
やはりS端子の調子が悪いのか

ついでにS-VHSの画質を確認

S-VHSテープに録画してS-VHSデッキで再生してみました
上 コンポジット出力
下 S端子出力

水平解像度が1.6倍になっただけあって画質のくっきり感が増しました
さらに下のS端子出力の方はデジタルY/C分離の効果で文字の色にじみも消えています

左 コンポジット出力
右 S端子出力

最初のVHSテープと違い輪郭がしっかりしています
コンポジットの黒線は色がはっきりしませんが、S端子は黒色がしっかり出ています

左上 VHSテープ-VHSデッキ(コンポジット)再生
右上 VHSテープ-S-VHSデッキ(S端子)再生
左下 Sテープ-S-VHSデッキ(コンポジット)再生
右下 Sテープ-S-VHSデッキ(S端子)再生

まとめ

1.VHSテープの再生ではVHSデッキ、S-VHSデッキどちらを使っても解像感は変わらない!
2.画像処理機能が多く付いているS-VHSデッキの方が画像が安定するのでおすすめ!
3.性能で選んでも、このS-VHSデッキのS端子の様に不調なデッキもあるので、画質の良い当たり機器を手に入れられるのは運次第!
4.ネット時代にS-VHSテープに録画して画質がきれいだなーと感動したあとの虚無感

というわけで、昔のVHSテープを再生、データ化するなら、その再生デッキにはS-VHSを選んでおくのが無難です。トラッキングが安定しないテープでもTBC内蔵ならきっちり固定してくれますからね。VHSデッキは種類が多くて迷いますが宝探しのつもりで楽しみながら当たりデッキを探していきましょう。

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